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Associa Cafe2008.8.1Vol.10
看護師としてのやりがいと生活の中での看護を教えてくれた巡回入浴の仕事
【氏名】 夏目久美(なつめくみ)さん
【資格】 看護師、保健師、福祉用具専門相談員
【前職】 大学病院 神経内科、精神科病棟など
【現職】 主に巡回入浴・デイサービスの単発業務
【目標】 巡回入浴のお仕事は自分に合っていると思いますし、現状にとても満足しています。しかし、一方ではいろんな可能性を広げるために、今までやったことのない業務に挑戦してみたいという気持ちもありますね。今後は派遣スタッフという機会を活かして、さまざまな業務を体験していけたらと思っています。最終的に、また巡回入浴に戻るかも知れないですけどね(笑)。



利用者とご家族の喜びが自分の喜びになる
 学校を卒業後、大学病院で病棟勤務をしていましたが、いつもバタバタと時間に追われていたように思います。私自身、患者さんとじっくり向き合いたいという思いが強かったので、現実とのギャップにジレンマを感じていました。何かが違う気がして一度は一般企業(デザイン関係)に就職したのですが、その経験が「やはり、看護の仕事をしたい」と再認識するきっかけになりましたね。そんなとき、友人から派遣の話を聞き、興味を持ちました。自分にはどんな仕事があっているのかという迷いもあったので、派遣でいろんな業務を経験してみようと思ったのです。そして、病院勤務だけでなく、企業看護師や保健師、治験など幅広い勤務先を持つパソナメディカルなら、「いろいろな仕事を紹介してもらえそう!」と登録を決意しました。
 さっそく仕事をご紹介いただいたのですが、巡回入浴と聞いて正直なところ迷いました。体力的にキツいというイメージがありましたので。ただ、病院勤務中も入浴介助は好きでしたし、体験してみないでのお断りはやめようと挑戦することにしました。実際にやってみるとイメージがまったく変わり、今はこのお仕事にすごくやりがいを感じています。なにより、ご本人とご家族のよろこびを直接感じられることが、自分のよろこびにつながります。病院での入浴は治療がメインで、そこに付随するものという存在になりがちですが、在宅の入浴は本当に生活の大切な部分なのですよね。学校時代は、看護は日常生活の援助だと教えられてきました。でも、実際に病棟勤務では本来自分が看護だと思っている部分が、なかなか追求できませんでした。しかし、巡回入浴の仕事に出会い、自分なりに、看護とは“あらゆる健康状態にある人がその時に出来る限りその人らしく日常生活を送れるよう援助すること”と、改めて認識できたことも大きな財産でした。
看護師としての役割を果たしながら1回1回の入浴を大切にしたい
 巡回入浴で看護師として最も求められるのは、ご利用者様の状態を把握することです。たとえば、入浴の可否判断を行う基準として血圧がありますが、いつもより高く、状況判断に困った場合はご家族や主治医、訪問看護師、ケアマネージャーなどに相談した方が良いのかを判断したり、少し調子が悪そうだなと思えば、ぬるめのお湯にしましょうといった提案をします。ヘルパーさんもよく状態を観察していますが、ご利用者様の状態を判断するのはやはり専門である看護師の仕事になります。そういった面では、病院勤務での経験が活かされていると感じますね。またお風呂に入るということは、やはり体調に変化が現れやすいもの。看護師の状況判断がとても大切ですし、その分やりがいもあります。やはり入浴は日本人にとって、大切な生活習慣のひとつだと思うのです。この仕事に就いたとき、要介護状態になっても自宅で入浴ができるのだと純粋に感動しました。普段は2名のヘルパーさんと共に3人で動くのですが、入浴している約1時間は、利用者さんとじっくりと向き合えることがうれしいですね。単発業務ですので、長いスパンで病気や精神面を全体的にケアするのは難しいのですが、逆に1回1回完結する達成感もあります。
 そんな中、「自分がお世話をさせていただいた方の、人生最期の入浴」という経験をしました。在宅治療中の方で半年ほど関わらせていただいたのですが、その間変わっていく病状に合わせて、入浴方法を変えながら対応していました。実は、はじめてお会いしたときはニコリともしてもらえなかったのです。けれど、だんだんと関わっていく中で心を開いてくださり、いつしか帰るときには「またな」と手を振ってくれるようになりました。本当にうれしかったですね。そうやって関係を積み重ねて、最期の入浴までお世話をさせていただいたのです。もちろん残念な気持ちでいっぱいですが、1回1回の入浴の大切さを改めて考えさせられた出来事でもありました。あれが最期だったなら、もう少しこうしてあげればよかった……と後悔しないように、精一杯向き合いたいと思っています。
看護師が中心となる介護の現場は本当の看護を感じられる場所
 在宅医療に関わったことで、介護の世界がどういうものなのかを感じられたと思っています。病院の中での看護師の立場と、介護の中での立場はやはり違います。介護は、さまざまな職種の方とのチームワークが大切だと感じます。ヘルパーさんやケアマネージャーさんとの関係に不安を感じる人もいるかもしれませんが、私は逆にチームの同志として協力できることがメリットだと思っています。同じ目的に向かう人たちの集まりですから、職種間の垣根も非常に低いと感じますね。巡回入浴というお仕事は、確かに向き、不向きがあるかもしれません。病棟勤務のとき、清潔保持のケアが嫌いだったという方にはお勧めしませんが(笑)、そうでなければ、とにかく一度体験してもらいたいと思いますね。まったくキツくない業務といえば嘘になりますが、それとは比にならないぐらいのやりがいがあると思いますし、看護師としての経験も生かせます。私も病棟勤務のころに描いていたイメージとは、全然違いました。「病気の治療、医療行為だけでなく、日常生活の援助をすることも、大切な看護の役割」と捉え、この仕事を続けている今、私が思う“看護”に近づけている気がしています。
My item マイアイテム
時計 タオル ワセリン
巡回入浴では両腕が水につかるので腕時計は不向きなんです。ナース向け通販で買ったチャームタイプの時計をポケットにしのばせています。脈拍計測つきなので、とても便利なんです!
夏は汗対策、冬は寒さ対策でタオルを首に巻き、さらに汗ふき用のハンドタオルを持参します。うさぎのタオルは、パソナメディカルでお世話になったコーディネーターの方からいただいたもの。
お仕事中は長い時間、水場で過ごしますので手荒れしやすいのです。肌が弱いためハンドクリームではなく、ワセリンがベスト。大きい瓶で購入し、小分けして持ち歩いてます。
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